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認知症ケアプランの作り方・事例(前編)
認知症ケアプランの作り方・事例(前編)

認知症ケアプランの作り方・事例(前編)

認知症ケアプランは、「その人らしい暮らし方」を支えるアセスメントであり、「その人らしさ」に着目した連携シートです。本人の日常的生活動作(例えば、食事、排せつ、入浴、移動など)と暮らしの動作(例えば、料理、洗濯、掃除など)、そして1日の暮らしを把握し、「できないこと」だけでなく、「できていること」と「やりたいこと」に着目します。
それぞれの病気の原因や信仰の段階によって治療とケアが異なります。ケアプランを作る際、なじみのやり方・場所・人間関係など、これまでの人生で身につけたその人らしい暮らし方を取り戻します。
ケアプランはケアマネージャー(介護支援専門員)が作成し、認知症ケアでは家族はもとより現場の訪問看護や通所介護、施設なら介護職員などが利用者のことを全人格的に把握し、その人らしい暮らし方を尊重し、共通の課題に向かってケアを提供することで、質の高いケアになります。
ケアプランの構成は、第1表(本人及び家族の意向、総合的な支援方針)、第2表(解決すべき課題、長期・短期目標、サービス内容、サービス種別、期間)、第3表(週間サービス計画)、第4表(日課表(施設のみ))です。

ケアプラン事例1

喫茶店を経営していた義母

義母は22歳の時に5歳年上の義父と結婚し、2人の子供をもうけました。当時、喫茶店を開店しました。とても繁盛していたようで今でもその頃が甦り、「珈琲いかが?」と自分で入れてくれます。
70歳の時に心不全を発症してから外出が減り、75歳の時に物忘れが目立つようになりました。でも、本人はたいして気にかけていませんでした。ところが、ある日、鍋を2回ほど続けて焦がしたので、もしやと思って受診させると、初期段階の認知症と診断されました。

通所リハビリテーションを週2回利用

もともと骨粗しょう症でひざを痛めていて、ふらつきがあり、トイレに行く際転びそうになり、危ないので見守るようにしています。時々シルバーカーを使って買い物に出かけますが、お金の計算ができないとぼやいています。
2世帯住宅ですが、夜は心配なので1回に寝泊まりしています。通所リハビリテーションを週2回利用しています。

ケアマネージャーからのアドバイス

嫁でもトイレに連れて行ってもらうのは恥ずかしいものです。見学のついでに通所リハビリテーションに行って、プロのやり方を学ぶのもいいでしょう。
朝のコーヒーはお義母さんにやってもらうのもいいでしょう。骨粗しょう症でふらつくということで、転びやすい部屋の中を片付ける必要があります。
本人が気晴らしでできる趣味を見つけるのも大切で、喫茶店の客になりきって、会話の相手になるのもいいでしょう。

ケアプラン事例2

ひとり暮らしの父を通いで介護

父は元郵便局長で、子どもは娘3人です。78歳の時母を胃がんで亡くしてからひとり暮らしです。姉2人は遠方に住んでいるため、市内にいる三女が通って介護をしています。
80歳から夜間に電話をかけてくることが増え、会話も要領を得ないし、翌日、昨夜かけてきた電話の理由を尋ねても忘れていることがありました。
頭痛が治らないというので、病院で受診させると軽い脳梗塞を発症していて、脳血管性認知症の初期症状と診断されました。要支援の認定で、デイサービスを週2回利用させています。

食事制限がひとりでできるか心配

顔なじみの人ができ、将棋ができるのがいいようです。しかし、名前が覚えられないようでイライラしています。
糖尿病で塩分制限があるのに、なかなか守れないようです。ひとり暮らしをさせるのが心配です。足元もふらつき転んで頭にコブを作ることもあります。

ケアマネージャーからのアドバイス

認知症になると入浴が面倒になる傾向が増えます。デイサービスを週3回程度利用することで、入浴もでき日中のみ守りもできます。将棋は脳トレになり、仲間と話すと心の刺激になります。
糖尿病ということで食事の買い置きなどをチェックし、行きつけのなじみの店には話しておくこともよいでしょう。
服薬も不定期になり何種類も飲む場合は混乱しがちです。本人に分かるように工夫しましょう。

ケアプラン事例3

嫉妬のことばを吐くようになった夫

夫は地元の市役所を助役として勤めました。69歳のとき、早朝にゴルフに出かけ、突然脳こうそくで倒れ、しばらく入院しました。
老健で3か月のリハビリをしたおかけで要支援1まで回復しましたが、すっかり自信を無くすて閉じこもりがちになり、昼間から酒を飲むようになりました。1年前から認知症の症状が現れ、友達との約束を忘れることが多くなりました。
介護をしている私は身体が弱く、ひざ関節痛が悪化してからは、夫の世話を手抜きするようになりました。その様子を見て嫉妬のことばを吐くようになりました。昼間から酒を飲んで私に当たります。

車の運転をして自損事故を起こす

お酒が残ったままで、車を運転しようとして私とケンカになり、倉庫の壁にぶつけたこともあります。長男も免許証を返すしかないと言っていますが、自信過剰で思い込みが強い夫をどう納得させるか悩んでいます。

ケアマネージャーからのアドバイス

老老介護の大変なのは「介護者も高齢者」という点です。嫉妬心があらわになるのは認知症による妄想で、感情がむき出しになり、強調されます。飲酒は認知症や高血圧にマイナスで、イライラする背景にはわかってもらえない孤独、自分が変わっていくことへの不安があります。
車の運転も自分はまだできるというサインです。認知症通所介護で効果的な話しかけ方などを教えてもらうのもよいです。また、免許証の返納も、医師に相談し説得してもらいましょう。

ケアプラン事例4

大分に住む母が認知症と診断

大分に住む母を、東京から遠距離介護しています。母は5人兄弟の長女として育ち、しっかり者の責任感が強い子供だったそうです。24歳で結婚し、3人の子供をもうけました。50歳の頃から徐々に心臓が苦しいと言い出し、57歳で心臓病と同時に抑うつ状態と診断されました。精神科で抗うつ剤をもらい服薬をしてきました。
1年前、近所の親せきからお母さんが心配と電話が入りました。何度も同じ話をする、自宅に帰れないで警察に保護されたこともあるという話でした。総合病院の精神科を受診するとアルツハイマー型認知症の初期症状といわれました。

通所・訪問サービスを利用し、夜に安否確認の電話

兄は8歳のとき交通事故で、妹は30歳のとき乳がんで亡くしているので、私が世話をしなくてはなりません。私は戻るのが無理で、毎週土日に帰っています。
デイサービスは週3回、訪問介護は60分を週3回お願いしています。夜は近所の親せきに声かけをお願いし、夜には私が電話で安否確認をしています。

ケアマネージャーからのアドバイス

遠距離介護は身体と財布がきついです。また不在中に万が一のことがあっても迅速に対応できないことで介護者の精神的ストレスも高くなります。不在中にも異変があったときに近所・近隣に助けてもらえるだけの関係づくりをしておくことは大切です。
徘徊時に警察に保護された際、服に氏名・連絡先などを縫い付けることはとても大切です。グループホームへの入居も検討しましょう。

ケアプラン事例5

元気なころは社交的だった義母

義父が電電公社に勤めていました。義母は内職で洋紙ア・和裁をやり、3人の子供を大学まで出したようです。60歳過ぎても、頼まれれば細々と生計を立てる程度はやっていたようです。認知症がひどくなるまで、要塞・和裁のサークルの人に教え、自宅で茶話会を開くなど社交的でした。

入院をきっかけにひどくなった認知症

高血圧と糖尿病の持病があり、1年ほど前に3週間ほど入院したことがきっかけで、認知症がひどくなりました。「ひどい嫁だ!あんたなんか出て行け」と暴言が増え、夕方には外出したがります。1日に何度も散歩をし、家に帰れないことが何度もありました。川で植木鉢を洗っているのを見て、夫が注意しても自分が変なことをしていることを理解できないようです。
部屋に入ると、便臭がして、タンスの中には便で汚れた下着が隠してあることもありました。通所介護は「みんながいじめる」と嫌がり、キャンセルしたことがあります。

ケアマネージャーからのアドバイス

本人は社交的なので、今迄になってきた役割をできるだけ続け意欲作りにつなげましょう。妄想や幻覚からくる本人の幻想に慌てないことです。徘徊については行きつけの場所があればあらかじめ連絡をお願いしておきます。便の始末については恥ずかしいことなので、対応方法はデイサービスのスタッフに相談しましょう。認知症専門の通所介護を利用する手もあります。

ケアプラン事例6

定年退職後パーキンソン症候群が出る

父は山形に疎開経験のあとに、一家で北海道に移り住みました。進学のために千葉県に移り住みました。大学に進学してから大手印刷会社に就職し、私たち3人を育て上げました。67歳の頃から歩き方がおかしいことに気づきました。右側に傾くように歩き、最初の一歩の踏み出しができません。パーキンソン症候群と診断されました。囲碁が趣味でしたが、力が入らなくなり、囲碁をやめました。

スーパーで万引きしてピック病が発見

昨年末からスーパーで万引きをしたり、失禁をしたまま歩き回ったりすることが多くなり、何度注意しても治らないので精神科に受診しました。結果、ピック病の初期の段階と診断されました。
ガスレンジの操作がうまくできず、消し忘れたことがあります。妻が夜を担当し、土日は私が単身赴任先から戻ってきて介護をします。私を息子と認識できない時があり、突然ネクタイ姿で出勤しようとします。母が「もう退職したんですよ」というと、怒り出してしまい、とても困っています。

ケアマネージャーからのアドバイス

ピック病になるとその異様な行動や万引きなどで警察に呼び出されることがあり、しっかり者だった人の家族ほど受け入れるのに時間がかかります。食事では誤嚥が起らないように見守りが必要です。
朝、ネクタイ姿で出勤するのは現役時代に戻っているのでしょう。制止せずに一緒に出かけるくらいの気持ちで関わります。

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