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認知症の人とその家族
認知症の人とその家族

認知症の人とその家族

障害を抱えた場合でも、在宅でこれまでのように生活していきたいと思うものです。
同時に、一番身近にいた家族から介護を受けるのも、大きな癒しとなり、とても安心するものです。

介護をする家族はそのことを悲しいと感じてしまいますが、介護は愛情表現となり、達成感を感じることもあると思います。
しかし、現代の生活は時代と共に変化します。
高齢者の介護を担える力が無くなってしまい、適切な対応ができずに、介護を担いきれないということもあります。

家族の中で様々な葛藤、トラブルが起きるのは必然かもしれません。
義母が認知症になり、施設に入所させたというある嫁の方は、共に暮らして義母を看るべきだったのか、家族だけを優先してしまったのかと悩み、自分を責める日々を送っているようです。
また、親を施設に入れて以来一度も面会に行かず、二度と顔を見たくないと言い切る人、気丈な父が認知症になって受け止められずに病んでしまったという方もいます。

介護に疲れて無理心中するという家族も少なくないと思います。
後悔をしても、顔をみたくなくても、家族としてそこまでに至る歴があります。
認知症に限らず介護というものは、自分たちで面倒を看るのも、他者に預けて面倒を見てもらうというのも、どちらも大きな決断となるのです。

認知症の親、身内を家族が受け入れるまで

ある老夫婦のケースを例に挙げて、身近な人が認知症になって受け入れるまでを、簡単にですが解説していきます。

ご主人の方、Aさんは83歳、その奥さんのBさんは80歳でした。
夫婦で老後の暮らしを楽しんでいる真っ最中で、特にKさんは趣味や友達が多く、妻にあれをしろこれをしろと昔気質の亭主関白な方でした。

しかし、Kさんの前立腺肥大が悪化し、Bさんがトイレまで付き添うことが多くなってきた時期に、軽い脳梗塞を起こしました。
その後、それまでは普通に使えていたパソコンの使い方が分からなくなり、Bさんにやってくれと頼むことが増えてきて、夜中にトイレに起こされることが急増したのです。
Bさんはこのころ、脳梗塞になったころから、認知症が発症したのだと振り返りました。

Bさんは何回行っても少ししか出ないのにいい加減にしてほしいとか、随分わがままになったなどとAさんに強く当たるようになり、愚痴も増えてきましたが、昔からこんな感じの人だったのかもしれないと思い、まさか認知症とは思っていなかったのです。
そのようなことは治ることなく頻繁に続き、他方に住む子供が医師の受診を勧め、Aさんを病院に連れていきました。
診断は血管性認知症でした。
認知症についての説明を初めて受けて、当てはまることばかりで愕然としたようです。
そのころにはすでに重い記憶障害があり、何度も同じ話をしたり、数秒おきにBさんを呼ぶといったことが良くありました。

Bさんはあまりにも何度も呼ばれることでまともに取り合わなくなってしまいました。
ただし、この段階ではまだ回復、治療の望みを持っており、診断から半年ほど経っても様々な計算ドリルをやってみたり、字を書かせたりして元に戻そうと懸命に努力をしました。

ですが、認知症の症状は止まらずに進行し、待っていることが出来なくなり始めました。
数分ごとに「腹減ったよ」と言い、無視しているとベッドから床に落ち、助けを求めるようになりました。
Bさんは仕方なしに対応して、以前のような治るかもしれないという希望はなく、投げやりな気持ちや元には戻らないという失望の気持ちで介護をするようになりました。
これが発症から1年ほどのことです。

この1年はBさんにとって、とてもつらい時期だったと振り返り、一緒に死のうとも思ったと語りました。
Aさんは発症から1年半がたち、誤嚥性肺炎を起こし寝たきりとなり、最期は心不全により亡くなりました。
治らないという事実を受け止め、Aさんの認知症を受け入れてからのBさんは、Aさんがお世話になっている病院に毎日通い、小物の縫い物をするなどをしていました。
Bさんは、実際には回復の望みを持って接するときと、失望するのとで何度も揺れ動きました。

この例はあくまでも簡潔に書いただけですが、思い出がたくさんある家族ほど、受け入れるまでは大変で、道のりは長いものです。
この例でも認知症になったのは亭主関白の旦那さんであり、まさしく一家の主として家を守ってきた方です。
そんな方が、1年もたたないうちに助けがなくては暮らしていけなくなり、守られる方になったのです。
数十年という年月で見てきた奥さんが、これを受け入れるのは本当につらいものです。
今、あなたはどの部分で揺れ動いているでしょうか。

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