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失認の症状事例
失認の症状事例

失認の症状事例

視覚、聴覚に特に異常がないのに、目の前にあるものや聞いたものが何なのかが分からなくなるというものです。
つまり、目や耳から入った情報を正しく処理できないことです。
例えば、余った布でてるてる坊主を作り、晴れるように一緒に作って願ったのに、たった数分か数時間程度でてるてる坊主をおろし、丁寧に畳んだなどです。

また、当然食べるものの認識もできなくなるため、異食という症状も現れます。
これは食べ物ではないものもおいしそうに見えてついつい食べたがるというもので、例えば食べ物と一緒にある、食べ物を包んでいたフィルム、袋などを食べてしまうというようなことがあります。
さらには石鹸や洗剤、土や便なども同様に食べてしまうことがあります。

視空間の失認人物の誤認も失認の一種です。
手すりと自分の手との距離を間違え、手すりをつかめなくて転んでしまう、息子と夫を間違えてしまうということも失認に該当します。

普通に身の回りにあるものは危険なものがたくさんあります。
小さい子供に何でも口に入れないよう注意するのと同じく、食べたらだめなものやむやみに触るべきでないものはたくさんあると思います。
しかし、それらをすべて取り払ったり、こっぴどく注意するだけでは、認知症の方にとっては大変なストレスとなり、ますます重症化していく可能性があります。

お金の単位が分からなくなる、計算が出来なくなる

これは本人の性格や生活スタイルにもよりますが、小さい額の買い物でも一万円札を出してお釣りをもらい、財布の中にたくさん小銭があるになったいうのは認知症の初期症状として広く注意喚起されています。
お金の単位が分からなくなるというのは失認に該当しますが、計算自体ができなくなるのは認知症の症状としても現れます。
細かいお金の計算も出来なくなったからと言って、それまで任せていた買い物をさせないのではなく、千円札だけを持たせるなどの工夫をして、出来るだけ任せるようにしましょう。

ただし、大きな単位のお金を扱わせるのは、避けるようにしましょう
10年ほど前、このような詐欺事件がありました。
埼玉県で、とある認知症の姉妹が3年間で5000万円以上のリフォームを繰り返して代金が支払えなくなったという事件です。
わずか11日の間で5回もシロアリ駆除や床下調湿などの工事を行い、673万円も一気にだまし取られました。
リフォームをしたという出来事に対する記憶障害と、判断低下、そしてお金の単位や金銭に関する失認があったために被害にあったというケースです。

家族が管理する、成年後見制度を活用するなどして、被害を防ぐようにしましょう。
もし不審な契約書、おかしなお金の動きがあった場合には、消費者センターにすぐに相談に行きましょう。

食べ物ではないものを食べようとする

食べ物かそうでないかの判断も難しくなるのも失認に該当します。
ある施設にてイベントがあった際、お菓子やお茶とともにテーブルの上に置いてあった写真を、一人の認知症の高齢者の方が「どうぞ召し上がって」とほかの方に勧めたということがありました。

このケースはたまたまテーブルの上にあったものですが、食事と一切関係ないところ、例えば洗面所やトイレ、屋外の公園などでも物を食べようとすることがあります。
薬などの危険なもの、土や泥、便などと、食べ物との判断ができないということです。
人間の身の回りには、危険なものがたくさんあります。
簡単に口に入る小さいものはもちろん、通電しているものや不用意に触れただけでケガなどにつながるようなものがあると思います。

しかし、それらを全て遠ざけて、部屋に閉じ込めてしまうと、大変なストレスとなり、認知症はさらに加速する危険性があります。
ですので、危険なもの、遠ざけておくべきものを目に触れさせないようにする、手が届かないようにするという対策が有効です。
高い場所や気が付かない場所に入れておくとか、カギをかけておいて家族などが管理するというのも良いと思います。
ただむやみに叱るだけでは、自分が疲れる上に、言われた方にも負担となるので、出来るだけ辞めるようにしましょう。

自分の家にいるのに、家に帰りたいと言う

自分の家にいながら家に帰ると訴えてくると、困っている家族の方が多く見かけます。
「大変お世話になりました。ありがとうございました。」などと言って家を出ようとするのです。
こんなことを言われたら、子供などのずっと面倒を見てきた家族は「この家に70年以上も住んでるのに!」などと強く怒っても無理はありません。
これは認知症の代表的な症状で、一言に失認と説明できることではない側面もあります。
なぜかというと、居心地の悪さ、ストレスの多さという原因が考えられるためです。

男性の場合だと今まで主として働き、家を大きくしてきたという思い、女性の場合だとずっと家を守ってきたなどという思いがあります。
ですが、急に子供などから「何もしなくていい」「余計なことしないで」と頻繁に言われるようになって明らかに態度が変わった上に、「ここはあなたの家」と言われるととても腹立たしく、意味が分からなくなるのです。

怒りたい気持ちを堪えて、あえて「送っていきますよ」という感じで付き添って、軽く外出するのも手です。
時間がなくて外出ができないという場合には「帰る前にお茶でもどうぞ」と言って気分を変えてあげたり、話題を変えるのもとても有効です。

人物の誤認

これは、ある人のことを違う人と認識してしまうというものです。
面会に来た息子を夫、反対に夫を息子と間違えるというようなことです。
他の症状と同じく、覆ることはまず無いため、否定してもほぼ意味がありません。
息子の嫁に向かって、自分の夫を取った女と勘違いして怒ることもあります。

ちなみに、ある施設に、入所している男性の利用者を自分の夫と誤認した女性の利用者が居ました。
その男性に付きっ切りになって、散歩をするときは必ず付き添って歩いていました。
男性の方は視空間失認があり、手すりと自分の手との距離をたびたび間違えて転びそうになりますが、その女性はいつも手を差し伸べて助けるという、とても温かい光景がありました。
しかし、ついにかばいきれずに二人とも転んでしまい、骨折したという出来事ことがありました。

人物誤認は、思い出のたくさんある家族にとっては非常につらく、残酷な思いをすることもあります。
ですが、本人の中ではそのように見えていて、その方に向けて話していると思っています。
誤認という事実を受け止めて、否定せずに話に乗ってあげましょう。
自分はその人ではないと否定するほど本人は混乱し、動揺してしまいますので、話をむやみにこじらせない方が良いかと思います。

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