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問題行動への対処(前編)
問題行動への対処(前編)

問題行動への対処(前編)

問題行動を起こすようになっても問い詰めても意味がありません。認知機能が低下しているため、「なぜいけないのか」ということが理解できないからです。相手のことばを否定したり、叱ったりしたら信頼関係が損なわれます。症状の悪化や新たな問題行動のきっかけになることもあるので、介護者は冷静に受け止める必要があります。
冷静に受け止めたら、問題行動がどんな時に出やすいか、その原因を取り除きます。何に対して不安や不満を抱いているのか、体調が原因なのか観察します。また、暴力など危険な行為があったら、周囲の危険物を除去するなどの対処をします。エスカレートするなら、病院で薬物治療などによって抑制する方法もあります。
嫉妬妄想が高じて、大きな声を上げるようになっても、介護する家族全員が情報を共有し、「病気の症状」と認識して静観するのも1つの方法です。

食べたことを忘れてしまう

食事をしたことを忘れて、食後すぐに食べたがります。夜中に起きて、冷蔵庫をあさることもあります。体にも悪いし、生活のリズムも崩れるので、何とかならないでしょうか?

原因

食事をしたことを忘れているようです。食欲中枢が障害されて、満腹感が得にくくなっている場合があります。

対処法

食べたことを思い出させようと叱っても効果はありません。「いま用意しますから、少し待ってね」とその場を離れるのが有効です。時間をおくと空腹を忘れることがあります。あるいは食後、すぐに食器をそのままにしておき、食べた記憶を温存させるのも有効です。
それでも、空腹を訴えるようなら、水分の補給、低エネルギーのおやつを出すと落ち着きます。夜中に起きて、家族の知らない間にご飯をあさる場合、ジャーなどを空にして、おかずは残さないようにします。また、カロリーの少ないものをわざと残すと、興奮がおさまります。

何でも口に入れてしまう

食べられないものを口に入れます。たばこは食べたら危険で、ボタンなどを口にして喉に詰めたら大変です。危険なものは近くに置かないように注意していますが限界です。

原因

認知機能の低下で、食品と食べられないものの区別ができなくなっています。

対処法

日頃からよく観察し、目配りをすることが大切です。ボタンなど口に入れやすいもの、たばこや薬など危険なものは手の届くところに置かないようにします。症状によっては、紙おむつや洗剤・石けんなどを口にする要介護者もいます。よく観察し、そっと隠す方法が有効です。
夜中に冷蔵庫を開けて、冷凍食品や生肉を食べることもあります。鍵のかかる冷蔵庫を選ぶか、フックなどを利用して開きにくくするなどの対処が必要です。
おわりに、食べた時の対処法を医療関係者に聞いておくことと、異食した時に食べたものを持ってすぐに病院に連れて行きましょう。

夜に眠れない

軽度の認知症ですが、夜眠れないようです。昼間ウトウトしていることが多く、そのために夜眠れません。悪循環のような気がするので、何とか眠れるようにしたいのです。

原因

高齢者は全体に睡眠が浅くなります。寝付けない、すぐに目が覚めるなど思うように睡眠がとれない人は少なくありません。認知症の場合、時間の感覚が障害されるために、昼夜の区別が曖昧になっています。

対処法

認知症だけでなく、高齢者全般に昼間は運動や散歩などによって活動的な生活をして、夜はゆっくり休むといった生活のリズムを整えることが重要です。日光を浴びて自律神経の働きをよくすることが効果的です。
時間の感覚が曖昧になっている認知症の場合、家族が寝る支度を見せたり、口腔ケアをしたり、毎日行っていることを促して、眠ることを意識づけることが大事です。
通所介護を利用して、レクリエーションや入浴サービスを受け、適度な疲労を得て、夜、自然に眠れるようにします。

夜中に起きて騒ぐ

認知症が進んで、夜中に起きだしては騒ぎます。玄関から出て行こうとします。家族は仕事があるので、付き合い続けることができません。ぐっすり眠ることができず、くたくたです。

原因

夜になると、様々な妄想や不安にさいなまれ、興奮して騒ぎます。「夜間せん妄」と呼ばれます。

対処法

夜、眠れない場合に、昼間の活動量を増やすのは眠れない高齢者全般の対象法です。興奮がおさまらないようなら、何らかの対処を考えましょう。
まず、興奮の程度を観察します。特に危険がないようなら、多少騒いでも放っておきましょう。玄関から出る危険がある場合、施錠などが必要です。
早めに就寝するために夜中に起きて騒ぎだす場合は、修身を遅らせましょう。家族に余裕があれば添い寝などして不安を和らげるのも有効です。
夜間せん妄がおさまらない場合は、医師に相談し、薬物療法などを受ける方法もあります。

着替えを嫌がる

しばらく前まで一人でできていた着替えができなくなりました。手伝おうとすると嫌がり、無理やり着替えさせようとすると大声で怒鳴ります。何日も着て汚れて臭いのに本人は平気です。

原因

衣類・着替えの意味が理解できない、着替えの手順もわからくなり、体に手を触れられたら、何をされるのかと思い身を縮めます。

対処法

声かけすれば、1人で着替えられるようなら、着替えの手順をひとつひとつアドバイスをしましょう。
服を脱ぐことの不安や持ち物を奪われるのではないかという気持ちから拒否する場合、「散歩に行きませんか?」と声をかけて、散歩に関心を向けさせましょう。お風呂を嫌がらない場合、入浴のとき着替えをさりげなく置いておきます。

入浴を嫌がる

最初は一人で入浴できていたのに、あるときから拒否しだしました。着替えを手伝おうとすると、突然怒り出しました。健康な時はお風呂好きだったのに、ショックです。

原因

入浴方法や着替えの手順が分からなくなり、入浴がおっくうになります。やがて裸にされる恐怖から入浴拒否をするようになります。

対処法

裸にされる恐怖心を和らげることです。介助者が一緒に入浴するのも有効です。
毎日決まった行動が不安を起こさないという点で重要です。生活パターンに入浴を意識づけさせると、スムーズに行くことがあります。どうしても拒否するようなら通所介護の入浴サービスを利用してプロに任せるのも1つの方法です。
どうしても入浴拒否が続くなら、体の一部をふくだけでも清潔は保てます。3日に1度で十分とおおらかな気持ちになることも大切です。

嫉妬を訴える

認知症の母は、訪問介護に来るヘルパーさんと自分の夫が浮気していると誰かれなく話します。ヘルパーさんにも迷惑ですし、子どもとしては情けなくなるのでやめさせたいです。

原因

自分に自信がなくなり、配偶者に見捨てられるのではないかという不安から、嫉妬妄想が起こります。男性の場合、性的な行為を強要したり、暴力を振ったりすることがあります。

対処法

認知症と承知していても、親から「浮気」と聞けば、慌てたり、情けなくなったりします。しかし、否定をして叱ったとしても何の解決にはなりません。まず、否定せず、本人の話を根気よく聞けば落ち着きます。
本人があちこちに触れ回っても、実害がない限り家族は気にしないようにしましょう。暴力の傾向が見られたら専門職に相談し、医師の診察を仰ぎましょう。

お金や通帳が盗まれたと訴える

同居する夫の母親は、財布を見失うと必ず私を疑います。「盗んだろう」と疑うばかりか、近所にふれ回り、夫の兄弟にも告げ口をするので、半信半疑の目で見られることがあります。

原因

物忘れが多くなり、それに伴って思い込みや錯覚が増えるのが原因です。身近な人ほど泥棒にされやすい傾向があります。

対処法

本人を落ち着かせることが大事です。疑ったり、叱ったりせずにいっしょに探すようにします。隠したり、見失ったりする場所は大体同じで容易に見つかりますが、すぐに見せないで本人に見つけさせると納得します。もともと紛失の事実がない場合は、他に関心を向けさせるようにします。
たまにやってくる人には、本人の話を真に受けるようなら、認知症の症状を話し、理解してもらいましょう。介護に関わる全員で情報を共有し、同じような接し方をすることが大事です。

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