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介護現場でのドラブル防止(前編)
介護現場でのドラブル防止(前編)

介護現場でのドラブル防止(前編)

介護現場で、利用者の所有する財産や権利を侵害したり、サービスの提供上何らかの不利益を与えてしまうことを、ここでは「介護トラブル」と呼ぶことにします。「介護トラブル」は、多々発生しています。
身体的な被害は生じていないものの、「介護トラブル」に対しても、普段から対策を講じておかないと、利用者との感情のこじれから、損害賠償を請求されることになるかも知れません。
「介護トラブル」と「介護事故」は、発生する原因において共通するものが多く、介護トラブルを甘く見ていると、将来大きい介護事故に結びつく危険性をはらんでいます。

介護トラブルとしてどんなものがあるかというと、下記の5つのケースです。
1.契約違反(サービス提供が、「契約・計画」通りに行われていない)
2.権利侵害(利用者の権利・人格を侵害する)
3.物損・財産侵害(利用者の所有物を破壊・財産を侵害する)
4.対人トラブル(利用者同士のトラブルに正しく対応しない)
5.苦情処理の不備(利用者の不満・苦情に対応しない)

こうしたトラブルが発生しているということを気づかない事業所や施設があります。
それが、のちに大きな問題に発展することがありますから、事業所や施設は、まず問題を正しく把握するように努めてください。

契約違反のケース

「サービスの提供が、契約や計画通りでない」原因を分析すると、2つのパターンがあると思います。
1つは現場スタッフの怠慢、2つ目は決められた範囲以外のことを、利用者に言われるままにしてしまう、ということです。
例を挙げてみると、1つ目は、ヘルパーが時間にルーズな人で、決められた時に来ないとか、施設で手が足りず、決められたケアをしないとかいうようなケースです。
一方、2つ目は、訪問介護で決められた範囲外のことをしてしまう。
犬の散歩とか、草取りとか、利用者の言いなりに、事業所には内緒でしてしまったり、禁止されていても、おやつをこっそり与えてしまったりすることです。

この2つは、正反対に見えますが、両方とも、プロ意識に欠けているということ、倫理観が欠如しているということで、共通しているのです。
このようなことから、重大な事故が起こる可能性もあります。最悪の事態が起こった時のことに想像が及んでいない。
もし、事故が起きたとしたらスタッフ自身に、重い責任が問われます。
目先のことに左右されるより、結果に対する想像力を働かせることが大切です。

想像力を発揮させるために、具体例を出して教えることが効果があります。
前項で出した、犬の散歩の例をとると、もし、散歩中に交通事故にあい、犬がけがをしたとしましょう。
その犬は、利用者の「持ち物」なのです。
ですから、散歩中にけがをさせると、「他人の物を物損させた」となるのです。
それが、決められた範囲外の仕事となると、スタッフ自身に責任が重くのしかかってきます。
事業者も、スタッフに、契約外のことをしないように徹底させてなかったことで、使用者責任を問われます。
そうなると、事業者自体が、社会的信頼をなくすることになります。

また、こっそりおやつを与えてしまうという例の場合、もし、その利用者が糖尿病であったりしたら、血糖値が上がって具合が悪くなるかもしれません。
この場合、スタッフ自身に重い責任がかかってくることになるでしょう。
このように最悪の事態を一つ一つ例をあげながら教えることが、スタッフ自身の自覚を促す近道になります。

権利侵害のケース

施設の中で、職員が、利用者に対して、暴言やセクハラ発言をする事件が、後を絶ちません。
思いやることが、高齢者介護の根本だと分かっているはずなのに、何故、そんなことが起きるのか理解できないと思う人が多いでしょう。

確かに、高齢者の介護にかかわる人は、高齢者や障害者の「人格の尊重及び人権」について、講習会や研修会で教えられています。
しかし、他人の人格を尊重するというようなことは、机上で教えられるというだけではだめなのです。
身をもって社会の中で体験することによって、教えられ、鍛えられて、身について来るものなのです。
事業者は、研修に行かせているのだからと安心していてはいけません。
介護事業者は、高齢者の人権を守るのが高齢者事業所の使命だと思って、任務を遂行していかなければなりません。

施設では、利用者の身になって介護をするには、利用者の気持ちを味わってみるのがいいと考えて、介護者同士で、介護したり、介護されたりする側になって、疑似体験をすることがあります。
それはいいことですが、それを受け止める側の介護者の感受性にもばらつきがあります。
だから、すべての介護者が、深く受け止めてくれるかどうか分からないということを知っておくべきです。

最近は核家族が多いので、おじいちゃん・おばあちゃんに接する機会の少なかった若いスタッフが増えています。
お年寄りが好きだという動機で入ってくる若いスタッフもいますが、それはたまに会う祖父母の優しい思い出だけです。
実際に施設にいるお年寄りは、見るからに、とっつきにくい性格が丸出しのお年寄りもいますし、何かと、嫌味ばかり言っているお年寄りもいます。
そうした性格が形作られたのは、その人が生きてきた時間の蓄積をバックにしています。
だから、その人の人格を、嫌なところも含めて丸々尊重しなければ、いい関係を生み出していくことはできません。

となると、利用者の話を、過去に遡って聞いてみるとか、今どんな家族関係にいるとか、利用者のすべてを知るように、話を聞く必要があります。
スタッフは日々忙しく働いているので、時間を取ってゆっくり高齢者の話を聞く余裕がないのが実情です。
又、高齢者の中には、話を聞かれるのが嫌な人もいるので、つい「お愛想」程度の会話で終わってしまうケースが多いのです。
このことを考えれば、管理者側はシフトを調整して、話を聞くことに集中できる時間を設けることが、大切になってきます。

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