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介護現場でいま何が起ころうとしているのか
介護現場でいま何が起ころうとしているのか

介護現場でいま何が起ころうとしているのか

人口の高齢化が著しく進んでいるのに反して、療養病床は削減され入院期間も短縮化されて行き所を失った介護を必要とする高齢者が、介護現場にどんどんと入ってきています。
ケアに対する受け皿不足で「周辺症状」を悪化させた認知症患者が増える一方、貧困から介護サービスをぎりぎりまで切り詰めて症状を悪化させた高齢者などが介護現場に多く入ってくる現象が起こっています。
一方、次期法律改正時には介護保険料が値上がりし、65歳以上の人の保険料が平均5000円を突破するのではないかと言われています。
保険料が高くなれば、サービスの質を問う利用者や利用者の家族が増えてくることが予想されます。
一般に権利意識が高いと言われる団塊の世代が家族の中心だったり、本人自身が利用者だったりすることが多くなります。
保険制度改正の様々な影響を受けて介護度の高い利用者が増えるといったん事故が起きてしまった場合、深刻なダメージがもたらされます。
事故やトラブルの発生に対して、組織としてきちっと対応出来るシステムを構築しておかないと訴訟にまで発展するかもしれません。
そうならないためには何が重要かというと事故発生の因果関係を究明する能力、利用者にきちっと説明して事故を共有化する能力などが必要となってきます。
最近様々な業界で隠さずに見えるようにする努力がなされていますが、介護業界でも「見える」化することが大切です。

新サービスが始まれば「働く側」のリスクが増大

介護保険制度の次期改正で新たなサービスが予定されています。それは24時間巡回型の訪問サービスです。
利用者宅を巡回しながら「短時間」で複数回訪問サービスをするというものです。
ヘルパーは利用者のニーズがあれば「随時訪問」も可能となります。
また、介護者と看護師がペアを組んで、介護と看護の一体型サービスも始めようとしています。
こうなれば、現場としてはシフトを組み直さなければなりません。労務管理の見直しが必要です。

新しいサービスは利用者のニーズに合ったものになるかも知れませんが、利用者側にも新しいリスクが生じるかもしれませんし、現場の働き方についても十分な議論がなされていません。
24時間巡回型訪問になった場合、今まではあまりなかった「夜間訪問」が増えることが予想されます。
又、利用者からの呼び出しによる随時訪問が増える可能性もあり、一晩中事業所に待機する人員を確保しなければならなくなります。
訪問の現場で「夜勤」が増えてくると、ヘルパーの健康管理について新たなノウハウが必要になってきます。
「短時間訪問」が中心的になってくれば急いで仕事をこなすことが増え、ヘルパーの腰痛のリスクなども増えてくるかもしれません。
働く側のリスクにつて、議論する必要があります。

介護現場における根強い虐待のリスク

「高齢者虐待防止法」が施行されてから、「高齢者虐待についての対応状況」という調査が、毎年、全国的に行われています。
虐待と聞くと一般的に親族から受けるものが多いと思われがちですが、「要介護施設従業者等」による虐待も多いのです。年間の相談数が400件超に上っています。
平成21年度の調査では、自治体が調査して虐待と認められたのは全体の6分の1程度です。現場としては現場内で相談や通報の件数が多いことに注目する必要があります。

虐待の相談・通報者の内訳をみると、施設で働く職員からのものが30.1%、家族・親族からのものが25.7%となっています。
現場の内部告発的なものが多いわけです。
現場で働いている人間からの通報が多いということは、最終的に虐待と判定されていなくてもそばで見ていて虐待に近い状況があるわけです。
その点を考えると、今は虐待と判定されなくても将来的に虐待に発展するリスクがあると考えねばなりません。管理者はそこに注意しなければなりません。
親族による虐待の場合は、介護ストレスが存在します。それと同じように、職員のストレスによるリスクの把握も管理者にとっては重要なことになります。

認知症高齢者250万人時代に向けて考える

平成22年で日常生活自立度Ⅱ以上の認知症高齢者は208万人にのぼります。
平成27年に団塊の世代が65歳以上になる時は、認知症患者は250万人に達すると言われています。
人口が減っていく時代になっているのに認知症患者がこれだけ増えるということは、認知症高齢者の単独世帯とか身寄りのない認知症高齢者も増えるわけです。

そうなると介護現場では、認知症介護の技術を向上させねばなりません。しかし、一方で単身の認知症高齢者が増えればその人の人生経歴を知っている人がいなくなるので介護も厳しい立場に置かれます。
本人アセスメントの手がかりが得られないと、認知症の「周辺症状」を和らげる手立てが無くなるわけです。
それをカバーするには、本人の言動から、沢山の情報を得るようにしなければなりません。
このとき洞察力が必要になってくるわけです。若い介護者にとっては、経験したことのないような、生活感や価値観を学ばなければなりません。
そのためには施設や事業所が若い介護者をエスコートしながら、地域の高齢者と接する機会をセッティングする必要があります。

施設のまわりの地域住民の高齢者にも目を向ける

今、地域では、一人暮らしの高齢者が、悪徳商法に巻き込まれたり、認知症の高齢者が行方不明になったりすることが増えています。
これに対しては、その地域の住民が力を合わせて取り組んでいくことが必要ですが、そのリスクにいち早く気づいたり専門的な知識が必要になったときには、介護のプロとして、施設の介護者が、手を差し伸べることが重要です。
その力を発揮するには、常日頃から、地域と連携しておかなければなりません。

ところが施設では目の前の利用者にのみ目が行って、日常的に地域社会に対して関心がないということが多いのです。
最近でこそ大規模施設の法人が運営する施設が、地域の自治会などの要請を受けて介護についての講演をしたり、認知症の人の「発見ネットワーク」を教えたりすることがありますが、専門職と地域住民が日常的につながりながら安全を確保していくという文化はまだ形成されていません。
今は、まだまだ、法人のトップの考え方一つに左右されている状態です。
その地域でリスクを抱えている高齢者は、いつ施設の利用者になるかわかりません。
そういう意味でも介護の現場に関係ないという意識を捨てて、地域とつながっていく努力をしなければなりません。
これも大きなテーマです。

介護職によるタン吸引の問題点

タンの吸引や胃ろうの管理などの医療的ケアを介護職にもできるようにするという法改正が厚労省で検討されました。
実際は一部にはもう解禁になっているのですが、それをどう広げていくかそのための研修をどうやって行くかが国の大きなテーマになっています。
医療行為について、現場で働く職員の研修は着実に行われるか、現場においてこの職務権限は広まっていくか、という問題もさることながら、今の時点では社会的な関心が異常に高まってしまうということが現場に大きな影響を与えるという危惧があります。

例えば、一般の介護職の人がタンの吸引が出来ると聞いたら、わざわざ訪問看護師を呼ぶよりなじみのヘルパーにしてもらいたいという要望も出てくるでしょう。
看護師と違って、介護士のタンの吸引は口腔内だけが許されるので、深く喉の奥の方までは禁止されています。
また、介護保険の範囲内でできるのかどうかなど、利用者側のニーズとの間に問題が生じてくるでしょう。
けれども、医療ケアが受けにくくなった時代なので、家族は介護士に大きい期待をかけると思います。

管理者は、医療行為の範囲について利用者側にきちっとした説明ができるように準備しておかなければ、誤解が生じ不信感を抱かれるようになるでしょう。
今から、利用者との対話を行えるように準備しおくことが大切です。

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