ホームページ / 介護のノウハウ / 介護事故とトラブル / 介護事故やトラブルの原因となる現場体質
カイゴジョブ
介護事故やトラブルの原因となる現場体質
介護事故やトラブルの原因となる現場体質

介護事故やトラブルの原因となる現場体質

事故やトラブルの原因は間違った現場主義

事故やトラブルが起こるには、必ず因果関係があります。原因があって結果があるのです。

ところが、誤った現場主義というものが、「因果関係」を見落としがちにしています。今までは、現場で得た知識を、実践を通して後輩に受け継がせていくというのが良いとされていました。

しかし、この方法は、現場を取り仕切るリーダーが作った「掟」を元にしています。そのリーダーの人格がどんなに立派であっても、また、そのリーダーの指導力が、どんなに素晴らしいものであっても、人間である以上、感情に左右されることがあるのです。それに、そのリーダーだけの価値観が、全てを支配してしまうということにもなりかねません。これは、危険なことです。

事故やトラブルが起こった場合、そこには必ず因果関係が存在するということを忘れてはなりません。「何故その事故が起こったか、何故そのトラブルが発生したか」を、冷静に科学的に分析しなければなりません。ところがそこに個人の価値観が入ってしまうと、これは自分の経験から防ぎようのない事故だったとか、こんなトラブルが起きるのには、利用者の方にも、落ち度があったとかいう理由をつけて、介護者側を正当化してしまったりするのです。

事故やトラブルの続発を防げなくしているのには、こういった誤った現場主義があるからだと思います。現場で経験したことは、確かに貴重なデーターには違いありません。けれども、現場主義という眼鏡だけをかけて、「因果関係」という大切な考察を曇らせてしまってはならないのです。

制度改正で事故やトラブルのリスクが急増

2012年度に向けて、介護保険制度の改正が進められています。新たなサービスが一部に始まります。

一例として、介護職による「痰の吸引などの解禁」があります。それに伴う、研修強化などの仕組みも考えられています。恐らく介護現場の様相も一変するでしょう。

しかし、今の介護現場の様相を見ていると、現場で働いている職員やヘルパーは、身体的にも、経済的にも、ぎりぎりの状態で働いています。その上に「痰の吸引」等の技能の習得も求められ、また、倫理観の向上を叫ばれても、それを遂行していくだけの余裕がないことは明らかです。また利用者側にしても、負担金の急上昇、サービスの数々の制限がついてくるので、ストレスや不安が増大し、落ち着いた心境にはなれないと思います。

介護というものは、そもそも、介護側の職員と利用者の、双方の信頼関係によって成り立つものです。介護側では、仕事の量が増え、イライラが募る、利用者側では経済的な不安に打ちひしがれる。そういう状態では、お互いの心が通じ合わず、事故やトラブルがますます増えることになると思います。

制度改正で、介護職員と利用者の関係が「改悪」とならないかどうか、見届けていかなければなりません。

最悪の事態を防ぐ

事故やトラブルを全く起こさせないというのが理想ではあります。そのために万全を尽くすのは当然のことです。しかし、人間のすること、事故やトラブルを100%なくすることは、なかなか難しいことです。

そこで、大切になることは、何かの事故やトラブルが起きたとき、そこから発生する被害を最小限に抑えること、同じケースを再発させないこと、発生後の利用者へのサービスを低下させないこと等です。

実は、事故やトラブルを発生させないこと以前に、以上のような発生後のトラブルを防ぐ体制をしっかりさせている介護現場は、事故・トラブルの発生も少ないという現実があります。

事故やトラブルの発生後、そこから起きる被害を最小限に抑えるということ、そこには、利用者との関係を修復できるかどうかということが含まれています。

事業者側が事故やトラブルを故意に隠そうとすると、被害者の神経を逆なですることになります。そうなると利用者との関係は最悪なものとなり、修復どころの騒ぎではなくなります。

事業者が不誠実な態度をとったばかりに、訴訟にまで発展することがあります。今後ますます、利用者の権利意識が高まると思われます。事業者は、誠実が上にも誠実であることを心掛ける必要があります。

現場偏重主義もシステム偏重主義もダメ

誤った現場偏重が、事故やトラブルを誘発することは確かですが、一方では、表向きのマニュアルやシステムだけを整えても、事故やトラブルを防止することはできません。

最近はどこの現場でも、「リスクマネージメント委員会」とか、事故・トラブル防止に関する「マニュアル」を作ったりしています。しかし、それが流行りだからと言って、ただ作ればいいというものではありません。そのような考えでは、事故やトラブルをなくすことはできないでしょう。

例えば「リスクマネージメント委員会」を作ったとして、そこで一番大切になることは、現場で得た知識、こういう事故が起きたとか、こういうケースが危ないとかいう情報が、速やかに「リスクマネージメント委員会」に届くシステムを確立せねばなりません。また、委員会の方で決定したことを、現場に知らせ、実行に移すことを、徹底させねばなりません。行き過ぎた現場主義が、委員会の決定を妨げたり、逆に委員会の決定が、現場のケアの邪魔をしたりしてはなりません。

現場と委員会をつなぐラインがしっかりと確立していることが大切です。悪い例は、現場で起こったことを、「これくらいの事なら報告しなくてもいいだろう」と、委員会に報告しなかったり、逆に、現場でヘトヘトになっている職員のことが分からず、現場の職員をして、委員会に出向いていかざるを得なくさせるようなことは、やめねばなりません。

こういうことは、現場と委員会のシステムが、しっかりしたラインで繋がっていれば、起きないことなのです。密な連携こそが、事故やトラブルを無くすることにつながります。

きらケア派遣

注目の記事

介護現場でのドラブル防止(後編)

介護現場でのドラブル防止(後編)

介護現場で、利用者の所有する財 …

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です